年商3億越えから10億までの4ステップ
STEP1 社長1人では成長できないと覚悟する
STEP2 御社ならではの「商品」を作る
STEP3 マーケティング・スキームを作る
STEP4 即戦力人材を確保する

◇営業スキルの底上げに高望みは禁物

「納品」から足抜けできたら、次は「セールス」を定型化して、社長以外の営業マンでも仕事を取ってこれる仕組みを作っていきます。
「セールス」とは、見込客に営業をかけて仕事を受注するまでの業務です。
通信販売業のように「セールス」活動を伴わない業種もありますが、社内に1人でも営業マンがいれば、この業務を行なっているということです。
多くの業種では、「セールス」は「納品」の次くらいに足抜けしやすい業務です。「見込客の抽出」に比べると難易度はかなり低いと言えます。

優秀な営業マンを育てることは難しい

それは、なぜでしょうか?
スーパー営業マンを育てることは到底できないからです。

3億の壁に悩む社長というのは、自分のコネや人脈で見込客を集めて、それらの見込客に営業をかけると 10件のうち6件は受注します。
もし社長が現場を離れてからも営業マンが6割を受注できれば、見込客を増やさなくても売上を維持できるはずです。
しかし、それはどうやっても不可能です。社長のせいぜい20%しか仕事のできない社員たちは、10件のうち1件とか2件しか受注できません。
スキルの底上げを図っても、せいぜい3件まで。しかし本当は、それで十分なのです。
「オレ様」社長から見れば物足りないでしょうが、BtoBでは10件のうち3件受注できれば優秀なほう。
社長が高望みをして4割とか5割のバッターを育てようとしても、徒労に終わるだけでしょう。
ですから、高望みはしないでください。

まずは3割受注できる営業マンを増やす

ここで社長が考えるべきは、1割とか2割しか受注できない営業マンのスキルを3割まで底上げすること。
その上で、3割の営業マンでも売上を維持・拡大できるように、見込客の数を増やしていくことです。
たとえば、これまでは20件の見込客に対して、6割バッターの社長が営業をかけると 12件が受注できました。
でも、見込客を40件に増やせば、3割バッターの社員でも同じく 12件を受注できることになります。
そのため、3億円企業にとって1番大事なのは「見込客の抽出」。
営業スキルの底上げももちろん大切ではありますが、「セールス」の定型化をきちんと進めていけば、3割バッターを作るのはそれほど難しくありません。
なぜなら、御社には価値を訴求できる商品ができたからです。

STEP2の話を思い出してください。社長そのものが商品だった時代は、社長が行かないと仕事を受注できないのが当たり前でした。
ところが、商品を設計した今では、商品そのものの価値に魅力を感じてご契約くださるお客様がいるはずです。
その商品の価値が高ければ高いほど、セールスは楽になります。極端な詰、セールス活動をほとんどしなくても、どんどん売れていくことだってあるほど。
これこそがマーケティングの究極の目標とも言えますが、そこまで行かなくとも、社員だけでそこそこ稼ぐことはできるのです。

◇「セールス・スタンダード」を確立する

何はともあれ「セールス」の定型化を進めていきましょう。
3億円企業のような「鍋ぶた組織」では、この部分の定型化を進めるのも社長の仕事です。
あなたの会社に営業課長とか営業マネジャーという肩書きの人がいる場合は、その人に補助的な作業を任せてもよいでしょう。相談相手になってもらうのもよいでしょう。
ただし、肝心のスキルを落とし込む作業は、トップセールスである社長にしかできません。

「セールス」の定型化とは、いわば「セールス・スタンダード」を作るということ。
社長が備えている「勝ちパターン」を誰にでも分かるように言語化することによって、 10件のうち1件とか2件しか受注できなかった社員を「そこそこ稼げる人材」に底上げしていくのです。
このとき大事なのは、営業マンが商品を売り込む「面談」にフォーカスを当てること。営業マンが受注できるかどうかは、この「面談」でほぼ決まるからです。
優秀な社長ほど、お客様のもとを訪れてから成約に至るまでの流れを無意識に行なっているものですが、それを肌感覚で社員に伝えようと思っても絶対に伝わりません。
そのため、面談における「勝ちパターン」を次の4つのプロセスに分解し、それぞれのプロセスごとに大切だと思われるポイントを詳しく書き出していってください。

①アプローチ

お客様にご挨拶し、軽い会話を交わしてから自社の商品・サービスの概要を紹介していくプロセス。

②ヒアリング

自社の両品・サービスにかかわる領域で、お客様がどんな問題点やニーズを持っているのかを確認するプロセス。

③プレゼンテーション

お客様の間題点やニーズを再確認し、その間題を解決する手段として自社の商品・サービスを提案するプロセス。

④クロージング

お客様との面談をさらに前進させ、契約締結に至る行動を促したり、次回の約束を取り付けるプロセス。

いかがでしょうか?
最初の10個くらいはすぐ書き出せても、それ以降は思いのほか時間がかかるものです。
それでも「これだけできれば十分だ」と確信できるまでは、この作業を根気強く続けてください。
ご参考までに、弊社がクライアントにお渡ししている「面談評価基準表」を掲載しておきます。

面談評価基準表

これはあくまでひな形なので、実際にはクライアントの状況に合わせて1社1社カスタマイズしています。
たとえば、中小企業向けにSFA (営業プロセス管理ソフト)を提供しているある会社では、弊社で作成したこの基準表をカスタマイズした結果、70項目に及びました。
しかし、一般的にどんな項目がポイントになるかは、この表でも把握できるでしょう。

さて、すべての項目を書き出したら、次はあなたの会社ならではの「面談評価基準表」を作成し、それぞれの営業マンができていること、できていないことをチェックしましょう。
それによって、現状を可視化できますから、営業マンごとにどんな対策を取ればよいかが明確になるはずです。

弊社がコンサルティングを行なう際は、この評価基準表に基づいてロールプレイングを実施しています。
つまり、クライアント先の営業マンが営業マン役とお客様役に分かれて、実際のセールスに見立てて面談を行なうわけです。
ここで大切なのは、評価基準表の結果を1人1人の営業マンにきちんとフィードバックすること。
自分のどこが良いのか、どこが悪いのかを客観的に把握できるようにしないと、営業マンは気づきを得ることができないからです。
その上で、実際の面談できちんと実践できるようにトレーニングするのです。

「オレ様」社長は、ご自身が優秀なプレーヤーであるがゆえに、「これくらいのことは 1度言えば理解してくれるだろう」と考えがちです。
けれども、社員は社長のようには優秀ではありませんから、「えーっ、こんなことまで教えるの?」と疑間を感じるくらいまで手とり足とり教えるようにしてください。
もっと言えば、社員が「分かる」だけでは不十分。「分かる」と「できる」は根本的に違いますから、ロールプレイングやOJTを通じて「できる」まで教えるのが鉄則です。
そうなって初めて、面談の場でスムーズに実践できるようになるのです。

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