年商3億越えから10億までの4ステップ
STEP1 社長1人では成長できないと覚悟する
STEP2 御社ならではの「商品」を作る
STEP3 マーケティング・スキームを作る
STEP4 即戦力人材を確保する

◇「集客」は年商3億円社長の最重要テーマ

「納品」と「セールス」から足抜けできたら、最後は「見込客の抽出」です。
会社が売上を上げるには、お客様になる可能性のある見込客をどこかから探してこなくてはなりません。

これまでは社長のコネと人脈に頼ってきましたが、いま以上に増やすのはもう難しいでしょう。個人の人脈だけで集められる数には、どうしても限りがあるからです。
しかし、3億の壁を越えるためには、見込客の数を少なくとも2倍に増やす必要があります。
6割バッターの社長に代わって3割バッターの社員がセールスを担うからには、それが売上を維持する前提条件になります。

集客は社長にとっての最重要テーマ

その意味で、集客をどう見直すかは、社長にとって最重要テーマになるはずです。
「見込客の抽出」も、納品やセールスと同じように、やがては社長が足抜けしなくてはなりません。
社長人脈に頼らなくても見込客が順調に上がってくる仕組みを作り、それがクルクル回るようになったら足抜けするという段取りです。
ただし、その仕組みが回るようになるには、最低でも半年程度はかかるでしょう。
また、集客は業績を大きく左右するので、売上7~8億円になってもここだけは社長が手放していない会社も少なくありません。弊社でも、10億の壁を越えるまでは私自身が集客を行なっていました。
ですから、早計に足抜けしようと考えるのは禁物です。

私は再三にわたって「社長はマーケティング・スキームのほとんどの業務から退場すべき」と述べてきましたが、集客だけは無理に退場しなくていいのです。
ざっくりとしたイメージをお伝えすると、まず3億越えで集客以外の業務から退場し、次の10億越えで完全に現場退場を終えるというのが堅実な進め方。

社長のあなたは、この段階までに「納品」や「セールス」から足抜けし、ある程度は時間的な余裕ができたはずです。その時間の大半は、見込客を増やすために使ってください。
そして、日々試行錯誤を重ねて、集客の「新しい成功モデル」を作るのです。
なお、その成功モデルが十分に機能するまでは、これまで通り社長のコネと人脈をフル活用して見込客を上げ続けてください。
そうでなければ、3億円の壁は越えられないと断言できます。

◇見込客を効率よく増やす「成功のセオリー」

さて、見込客を増やすためには「成功のセオリー」があります。それはズバリ、次の点を実行することです。

①USP(ユニーク・セリング・プロポジション)を明確にする

②マーケティングの導線を引く

 

①は、理想的なお客様になってくれるであろう見込客に、提供したい商品の価値をどのように伝えるかをしっかり整理すること。
STEP2の「商品作り」で、あなたは自社商品の「顧客層」「顧客価値」「自社技術」を決めました。これがすなわち「USPを明確にする」ということです。
商品を作ったからと言って、難なく見込客が集まるわけではありません。
御社の商品を喜んで買ってくれそうなお客様を特定し、それらのお客様にどんなメッセージを発信すれば効果的なのか、その仮説をしっかり構築することが大事です。
この手順を踏むかどうかで、見込客の「数」も「質」も大きく変わってきます。

②は、見込客を抽出し、フォローし、セールスのステップに進んでもらう流れ=導線をいかに作るか。
言い換えれば、営業マンの前に見込客が集まってくるような道筋をいくつも用意しておくということです。
「マーケティングの導線」がきちんと引かれていないと、集客の効率が一向に上がらないばかりか、せっかく広告を打ってもほとんどセールスにつながらない、といった事態にもなってしまいます。
たとえば、無料情報誌に広告を出す飲食店はとても多いですが、同じような広告を掲載しても、まったく反応がないものと、反応がよいものにハッキリ分かれると言います。
その違いは、ホームページを作り込んでいるかどうか。
どういうことかと言うと、これらの広告を目にした見込客は、そのお店のホームページを当たり前のようにチェックしています。
そのとき、ホームページを持っていない個人事業的なお店は相手にされず、ホームページに信頼感や安心感を感じられるお店が来客数を伸ばしているのです。

「マーケティングの導線」は、もちろんウェブサイトに限った話ではありません。
たとえば、外張り断熱の住宅を施工しているあるハウスビルダーは、新聞の折り込み広告やチラシを打って集客し、見込みの高そうなお客様にはモデルルームに泊まっていただくサービスを実施しています。
外張り断熱ですから、冬場などはとても快適です。すると、「お父さん、この家暖かいわね」「こんな家に住めたらいいね」となって、お泊まりになったお客様の8割が契約してくれるそうです。
これも、立派な営業システム=導線です。
見込客に道筋をつけてセールスヘの流れを作っておく、失注したお客様を再びセールスに上げていく、1回のお客様を固定客に変えていく……。
これらの導線をしっかり引くことによって、漠然と集客するよりも遥かに高い成果を得ることができるのです。

◇「今すぐ客」をいかに多く集めるか?

見込客には「今すぐ客」と「そのうち客」の2つがあると述べました。「今すぐ客」はターゲット全体の約5%、「そのうち客」は約15%でした。
そして、見込客を集めると言ったときは、大抵は「今すぐ客」を集める方法について話し合っていることが多いものです。

実際、3億円の壁を越えるために重要なのは「今すぐ客」を数多く集めてくること。少ない人数で目の前の売上を増やすには、まずは「今すぐ客」が大事なのです。
ただし、10億越えのステップでは、「そのうち客」のフォローがきわめて重要になります。お客様には購買の時期があって、今すぐではないけれど、いずれ購買を検討したいという方々は多いもの。
こうした「そのうち客」は「今すぐ客」の約3倍いるわけですから、何の手立ても打たないのはもったいないでしょう。

したがって、「今すぐ客」をいかに多く見つけるか、「そのうち客」をいかに育成し、時期が来たら声がかかるようにできるか。この2つが集客のポイントです。

さて、「今すぐ客」を集めるには、次の3つのステップを進めるのが原則です。

①理想のお客様にアプローチできそうなリストを探す

②理想のお客様が購買したいと思うメッセージを構築する

③上記①②をテストしながら繰り返し実施する

どれも当たり前のことと思われるでしょう。たしかに、「今すぐ客」の集め方には秘伝中の秘伝はさほどありません。
ただし、ここでの1番のポイントは、「PDCAサイクル」を細かく精緻に回すこと。
限られた予算で「今すぐ客」を効率的に集めるためには、次のサイクルを何度も回していくしかありません。

仮説(PLAN)

実行(DO)

評価(CHECK)

改善(ACTION)

理想のお客様のニーズを想定し、リストを探す。そして、商品の顧客価値と技術をきちんと切り分けたメッセージを作成する。
これだけでも集客の精度は上がります。
しかし、大事なのは、自社の「勝ちパターン」を見つけるための実験をいかに効率的かつ効果的に行なえるかだと言えます。
仮説を立てて、実行し、評価し、改善する。このサイクルをどれだけ多く回せるかが見込客を集めるときには最も大事なのです。

最初のうちは小さくてよいので、その繰り返しで集客の「成功モデル」を作ること。そして、そのモデルを日々バージョンアップして精度を高めていくことです。
そうすると、それぞれの媒体にいくらお金を使えば、商品がいくつ売れて、粗利益がいくら稼げるという計算が立てられるようになります。
売上や利益を増やしていくには、これが社長にとっての強力な武器になるでしょう。
「成功モデル」を社員に任せるのは、その後の作業になります。

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