年商10億越えの4ステップ
STEP1 理念とビジョンを共有する
STEP2 人事制度を作る
STEP3 ビジネスモデルを強化する
STEP4 新卒採用を行なう

年商10億越えの会社を作るまでのロードマップ

・会社が独自の人格を持ちはじめる

じつは、理念・ビジョンの共有を進めていくと、社長は否応なく意識を変えざるを得なくなります。
「オレ様」のままではいられない、自分も会社も変わらなければならない、そう考えるようになるのです。

なぜでしょうか?
社長と会社は違うものだと認識し、会社が独自の人格を持ちはじめるからです。

3億円企業の社長は、よく「オレの会社」とか「私の会社」という言い方をします。
たとえ口には出さなくても、少なからずそういう感覚を持っているものです。

たしかに、それも当然です。会社を作ったのも社長、会社に人生を賭けているのも社長、おまけに、会社の売上のほとんどを上げてきたのも社長ですから。
つまり、創業時から3億円くらいまでは、「社長の存在」と「会社の存在」がほぼイコールだったわけです。
社長の成長とともに会社が成長し、会社が社長を追い越して成長することはありませんでした。
3億を越えて状況が変わりはじめたものの、社長の頭の中では相変わらず「オレの会社」という意識が強かったはずです。

ところが、次のような過程で理念・ビジョンの共有を行なうと、これまでただの箱物だと考えていた会社が、独自の価値観やビジョンを獲得するようになります。

・①会社が抱える問題点を明らかにする

・②会社のなりたい姿を明確に提示する

・③会社のなりたい姿と個人の夢やビジョンをリンクさせる

その進め方については後述しますが、まず①で、社長は自分の「オレ様」ぶりがいかに会社の成長を阻んできたのかを痛感します。
次の②で、この会社が発展していくためにはどんな理念やビジョンが必要なのかを、社長は真剣に考え抜くことになります。
そして最後の③では、②で掲げた理念とビジョンを、社員それぞれの夢やビジョンとつなげていきます。

こうした過程をたどると、それまで社長が独りよがりで考えていた理念や価値観が、会社という場所に集う社員みんなの理念や価値観となり、会社が人格を形成するようになります。
そして、それまでは社長個人とつながっていた社員たちが、今度は会社そのものとつながるようになります。
その結呆、社長は「限りなく会社に近い存在」から「会社の発展をサポートする経営者」に変わっていくのです。

このような状態を作ると、それが10億越えの起爆剤になります。
なぜでしょうか?
社長1人の成長力に頼らなくても、組織として成長できるようになるからです。

会社の理念・ビジョンにつながった社員たちは、以前とは比べものにならないほど、モチベーションを高めていきます。
自分がどう行動すればいいのか、会社にどう貢献するかを、自ら考えはじめるようになるからです。
つまり、社員の可能性を、企業成長の原動力にしていくのです。

・理念・ビジョンが浸透しない本当の理由

このように、理念・ビジョンの共有は、単にコミュニケーション・ギャップを埋めるための手段にとどまりません。
社員の意識を変革し、自走できる組織を作っていくことも十分にできるのです。

こうした効果を期待してか、最近では「理念・ビジョンの共有」を進める中小企業が後を絶ちません。
理念やビジョンを朝礼で唱和したり、名刺サイズのカードに「クレド」を記して、社員がつねに携帯するよう指導している会社も多いようです。
ちなみに「クレド」とは、ラテン語で「信条」「志」という意味で、マネジメントの言葉では「企業理念」を表しています。
サービスで定評の高いホテル「ザ・リッツ・カールトン」がこのやり方で大きな成果を上げたことから、それを見習うのが流行しました。

ところが、その一方で、「なかなか成果が出ない」という相談が持ち込まれることもよくあります。
「理念・ビジョンを何とか定着させようとしているのに、うちの社員にはまったく響かない」という悩みです。

このような相談を受けると、私はこう申し上げています。

「それは、やり方が間違っているからです。間違っているというより、肝心のポイントが抜けているのです」

どういうことかと言うと、理念・ビジョンの共有は一般的に次の手順で行なわれます。

・①言語化する……理念・ビジョンを言業に表して、明確にするステップ

・②組織に伝える…言語化した理念・ビジョンを全社員に伝えるステップ

・③浸透させる……理念・ビジョンを継続して伝えるステップ(朝礼での唱和、クレドなど)

このうち、じつは、②と③の間に抜けているステップがあります。

会社の理念・ビジョンに、社員それぞれの理念・ビジョンをリンクするステップが抜けているのです。
これを「ミッションリンク」と呼んでいます。

一般にはあまり語られていませんが、これがきわめて重要だと私は考えています。
なぜなら、このステップがないと、社長が作った理念・ビジョンを社員に押し付けるだけで終わってしまうからです。

あなたが社員だとしたら、社長が一方的に作った理念・ビジョンに共感できるでしょうか。
それに基づいて、毎日行動しようとするでしょうか?

ひと昔前ならともかく、価値観が多様化している現在では、それではうまくいかないと思います。
とくに、10億円企業の社長は、それまで理念やビジョンを真剣に考えたことのない人が多いので、しばらく考えて響く言葉が出てこないと、本に書かれている理念を真似したりするわけです。
それを押し付けられた社員はかわいそうです。

上図をご覧ください。
個人には「できること」と「やりたいこと」があります。また、会社で働いていれば、仕事を進めるために「やるべきこと」もあります。
そして、これら3つの円が重なった領域が多ければ多いほど、その仕事でのモチベーションが高くなり、成果が上がりやすくなります。
理念・ビジョンの共有を図るときに大事なのは、その領域をどれだけ増やせるかということ。

上から押し付けられた理念・ビジョンでは「やりたいこと」とリンクしていないため、どうしても成果は限られてしまうのです。
だからこそ、そこで働く人たちと率直なコミュニケーションを図り、会社の価値観と彼らの夢やビジョンがリンクできるかどうかを確認しないとダメなのです。

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