年商10億越えの4ステップ
STEP1 理念とビジョンを共有する
STEP2 人事制度を作る
STEP3 ビジネスモデルを強化する
STEP4 新卒採用を行なう

年商10億越えを目指す「儲ける仕組み」を拡大する

3億越えのステップで、御社は「儲ける仕組み」を作りました。
商品を設計し、マーケティング・スキームを構築し、社長が現場に出なくても数字が上がるような仕組みを作ったはずです。

その結果、売上は順調に伸びたでしょうが、そこで手綱を緩めてはいけません。
なぜなら、3億越えのステップで作った仕組みは、いわば対症療法。何はさておき、目の前の売上を稼ぐことが目的だったからです。

もし、あなたの会社が10億円の壁を越え、さらに30億円まで目指していきたいなら、中長期的にもしっかり売上を伸ばしていける仕組みが必要です。
そのためには、1度作った仕組みを強化・拡大していかなくてはなりません。
それが、「ビジネスモデルを強化する」ということ。

このステップ3は、先の2つのステップが終わってから進めたのでは遅すぎます。
組織の改苗(理念・ビジョンの共有、人事制度の構築)と戦略の改革(ビジネスモデルの強化)は同時並行で進めてください。
なぜなら、売上は速攻で伸ばさなければならないからです。
会社の規模が大きくなれば、それに見合った売上をコンスタントに上げていく必要があります。
とくに、当面は生産性ゼロの新入社員たちが入ってきても悪い影響が出ないようにするには、マーケティングの基盤をできるだけ早く整えておくことが大事なのです。

・ビジネスモデルの強化を進める

ここでは、次の3つのポイントで、ビジネスモデルを強化していきます。

・①USPの再設定

・②マーケティングの導線作り

・③営業マネジャーの育成

・USPの再設定がなぜ必要なのか

簡単におさらいをしておきましょう。
3億越えのステップ2で、御社ならではの商品を作りました。
具体的には「エーベルの3次元」を活用して、3つの軸を明らかにしました。

・①顧客層………その商品を買ってくれるお客様は誰か?

・②顧客価値……その商品はどんな価値を提供するのか?

・③自社技術……その価値をどんな方法で実現するのか?

このうち、商品を作るときに真っ先に考えるのが「顧客層」、誰をターゲットにするかです。
次が「顧客価値」、そのターゲットにどんな価値を提供するか。
そして最後が「自社技術」、どんな方法でそれを実現するか。商品を作るときは、必ずこの順番で考えることがポイントでした。
この作業によって御社の(ユニーク・セリング・プロポジション)を設定し、独自の売りを「社長そのもの」から「商品」へとシフトしていったわけです。

・売上が伸びると商品がブレる

ここでは、その作業をもう1度行ないます。
なぜでしょうか?
売上げが伸びていくと、「商品」がブレてしまうからです。

あなたの会社が10億円の手前まで売上を伸ばしてこれたのは、その商品を多くのお客様に買ってもらったからです。

ところが、売り手の意図通りに商品が売れているとは限りません。
とくに、お客様の数が増えれば増えるほど、ターゲット以外のお客様が増えていきます。極端な話、「買いたい」と言われたら、どんなお客様だって断らないのが当然でしょう。
こうなると、商品が惰性で何となく売れていく状態になり、「誰にどんな価値を提供するか」という商品コンセプトがどんどん緩くなってしまうのです。

前回紹介したY商会が、まさにこうした状態でした。
コピー機の販売は保守サービスを伴うため、ある程度商圏が限られます。
とくにY商会はメンテナンスのよさを売りにしていますから、自社工場からサービスマンが駆け付けられる範囲内で、きちんとお客様を増やしていくのが大事なのです。

社長1人で営業していた頃はそれを守っていましたが、売上が伸びて営業マンが増えていくと、しだいに商圏の外に売り込むようになりました。
会社が東京都にあるのに、平気で茨城県に営業に行ったりするわけです。
なぜかと言うと、そのほうがラクだからです。商圏内では結構クレームが出ていましたから、営業マンも電話を掛けるのが嫌なのです。
それで、千葉県とか茨城県の会社に電話を掛けまくると、運よく受注につながることもあります。
しかし、サービスマンからすれば茨城まではとても行けないので、何かあったら「メーカーに頼め」となります。
それで、メーカーの対応に不備があったりすると、そのたびにY商会にクレームが来ます。そうした理由で、当時はクレームが絶えませんでした。
これも、商品コンセプトが緩くなった典型例と言えるでしょう。

・売れている理由はお客様が知っている

実際、10億円の壁に悩まされている会社というのは、自社の商品がなぜ売れているかを自覚していないことが多い。
ターゲットや顧客価値、あるいは競争優位性が、何となくでしか分かっていないのです。
そうすると、何が間題になるのでしょうか?

再現性を持って業績を上げることができなくなってしまうのです。

戦略を構築するときは、USPがすべての出発点です。商品のターゲットや顧客価値に合わせて、マーケティングの仕組みを最適化していく必要があるからです。
ところが、それが不明確だと、何をどうすれば業績が上がるものやら、雲をつかむような話になってしまいます。
したがって、10億の壁を越えるためには「USPの再設定」が欠かせないのです。

・お客様へヒアリングする質問事項

では、それをどんな方法で進めればいいのか?

お客様に聞いてみることです。

3億越えではまだお客様の数が少なかったので、「誰が買ってくれているか」よりも「誰に買ってほしいか」という基準で仮説を立てたと思います。
しかし、今では多くのお客様がいるはずです。ならば、御社の商品をすでに購入してくださっている既存客に、直接聞いてみることです。

売上6~7億円くらいの会社の営業マンに「他社ではなく御社に発注が来ている理由は何ですか?」と聞くと、
「うちは値段が〇円安いんです」とか「納期が他社より〇日早いんです」など、数値化できるような返事しか返ってきません。

たしかにそれは事実でしょうが、本当はもっと大きな理由があることが多いのです。
たとえば、「担当の営業マンが毎日のように足繁く通ってくれるから」とか「商品を売るだけじゃなくて、ソリューションをきちんと提案してくれるから」など。
お客様は何らかの理由があって御社から買っています。
そして、6~7億円も売れているということは、何らかのよさが必ずあります。会社が分かっていないだけで、お客様が答えを持っていることが多いのです。

では、お客様にどんな質間をすれば効果的なのでしょうか。

次の項目は、弊社が営業強化のコンサルティングを行なうときに、クライアントのお客様を訪問してヒアリングする質問事項です。

・①当初、何に悩んでいましたか?

・②何がきっかけで当社の商品を知ることになったのですか?

・③商品を知ってから、購入までに何か躊躇することはありましたか?

・④それはどう解消しましたか?

・⑤購入する際、最後の決め手になったのは何ですか?

・⑥実際に使ってみていかがですか?

この質間に答えていただくと、御社の商品がなぜ購入されたのかが明確になります。
どんなお客様がターゲットなのか、お客様はどんなニーズを持っているのか、その商品の1番の価値は何か……などが明らかになり、USPの言語化・共有化につなげることができます。
最近では顧客事例をホームページに掲載する会社も多いですが、見込客に商品の価値をきちんと伝えるという点で、とても有効だと思います。

売り手側の一方的な情報提供は、商品の本当の価値を表していないかもしれません。
やはり最高の情報は、実際のユーザーが顔写真入りで商品のコメントをしているものです。もっと言えば、ユーザーが動画に登場してコメントしているものが理想的でしょう。
そういう集客ツールを作るためにも、その商品がなぜ売れているかを確認するためにも、お客様のところに聞きに行く。それが大事なのです。

ちなみに、弊社がクライアントのUSPを設定するときは、
複数のお客様にインタビューした後、その情報をもとに、社内のキーマンや営業マンを集めて2時間半のブレインストーミング会議を約3回行ないます。
やり方にもよりますが、それで商品のUSPはかなり明確になってきます。

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