年商10億越えの4ステップ
STEP1 理念とビジョンを共有する
STEP2 人事制度を作る
STEP3 ビジネスモデルを強化する
STEP4 新卒採用を行なう

年商10億越えのためのマーケティングの導線を作る

すでに述べたように、マーケティング・スキームは5つの活動から成り立っています。

「見込客の抽出」→「見込客の育成」→「セールス」→「納品」→「顧客化」

簡単に言うと、商品を購入してくれそうな見込客をどこかから集め(見込客の抽出)、その見込客をフォローし温め(見込客の育成)、購入してもらうように働きかける(セールス)。
そして、見事受注できたら商品を納品し(納品)、再度購人してくれるように促す(顧客化)。

これら5つの活動が結び付いて、マーケティング・スキームが構成されています。

このうち、3億円の壁を越えるときに仕組みを作ったのは、「見込客の抽出」「セールス」「納品」の3つでした。
社長が現場を離れてからも売上を減らさないためには、最低限、これらの業務を社員に役割分担する必要があったからです。

・マーケティング・スキームを強化する

しかし、10億円の壁を越えようとすると、それだけでは明らかに不十分です。
見込客を大量に増やしたり、1回のお客様を固定客に変えていかないと、売上を数億円単位で増やすのは無理だからです。
そこで、これまで手付かずだった「見込客の育成」と「顧客化」にも取り組まなくてはならないのです。

それにしても、「見込客の育成」に取り組むと、どうして見込客を大量に増やせるのでしょうか?

前回までに「今すぐ客」と「そのうち客」の話をしました。
今すぐ買ってくれそうな見込客がリスト全体の約5%、今すぐではないけれど、機会があればそのうち買いたいという見込客が約15%でした。

ということは、いま御社は、商品を買ってくれそうな人たちの4分の1だけを相手にして商売をしていることになります。
もし、御社が「見込客の育成」をきめ細かく行ない、「そのうち客」を「今すぐ客」に格上げできれば、見込客を2倍、3倍に増やすことだって十分可能なのです。
したがって、「今すぐ客」をいかに多く見つけられるか、「そのうち客」を育成し、時期が来たら声がかかるようにできるか。
この2つに同時に取り組むことによって、見込客を大量に増やすことができるのです。

・見込客を増やすための賢いやり方

どんな業種でも、見込客を集めるために血眼になっているものです。
しかし、「見込客の育成」をきめ細かく行なっているかどうかで、結果はまるで違ってきます。

たとえば、投資用マンションのターゲットは、上場企業に勤めている年収800万円以上のサラリーマンです。
ローンを付けるときに最も信用が高く、なおかつ資産形成にも興味を持っている所得層だからです。
学校の先生で言うと教頭先生。校長よりも教頭のほうがよく買ってくれるそうです。

そのため、投資用マンションの販売会社では、名簿業者からそういうリストを購入して片っ端からテレアポをかけるのですが、思ったようには数字が上がりません。
どの販売会社も考えることは同じなので、リストが荒れているのです。

こういう状態で業績を上げている会社が何をしているかと言うと、まずは「ハウスリスト」を作っていきます。ハウスリストとは、独自に作った顧客リスト。

たとえば、公立中学校の教頭先生の名簿を入手したら、何らかのアクションを仕掛けて、少しでも脈のありそうな見込客をピックアップしたリストを作り直す。
あるいは、上場企業に口実を見つけて連絡をとり、個人名を1人1人聞き出したり、Cさんは投資に関心を持っている、AさんとBさんは仲がいい、ということまで聞き出して、
独自のリストを作成していきます。
こうして作り上げたハウスリストの見込客を、今度は育成していくわけです。

なぜ即座に営業をかけないかと言うと、そのほうが受注率が高まりやすいからです。

投資用マンションは高額商品なので、見込客が購人を決断するまでに時間がかかるのが普通です。そのため、ほとんどは「そのうち客」なのです。
また、投資用マンションは、ガンガン営業したからと言って、すぐ成約に結び付くものではありません。
その見込客が投資の勉強でもしてくれていればいいのですが、そうでない場合は、営業マンが1から説明しなくてはなりません。

「実は、投資マンションの仕組みはこうなっていまして……、いま日本の経済はしかじかで……、他の金融商品の利率はこうで……」

そうなると、営業マンのスキルによって、受注率にかなりバラツキが出てしまうのです。だから、ワンクッション入れて、育成していく。

たとえば「世界一わかりやすい投資マンションの仕組み」という小冊子を送ったり、投資マンションのQ&Aをステップメールで配信したり、投資マンションセミナーのお知らせを告知したり……。
すると、その見込客は、投資用マンションの情報にひんぱんに触れることになります。
興味のあるセミナーには参加してくれるかもしれません。こうしていつの間にか、どんどん育成されていくわけです。

そして、営業マンがアプローチする頃には、投資用マンションの知識をしっかり蓄えているため、基本的な話をする必要はなくなります。
それどころか、育成されている期間に購入をほぼ決めることもありますから、あとはその販売会社が信頼に足る会社であることを理解してもらうだけで、契約してくれたりするのです。
実際、このようなやり方で業績を順調に伸ばしている会社があります。

・ウェブを活用した「そのうち客」の育て方

では、見込客をどんな方法で育成すれば効果的なのでしょうか?
弊社がお勧めしているのは、ホームページの活用です。
なぜなら、BtoBでもBtoCでも、お客様が商品やサービスを購人しようとするとき、その会社のホームページを1度も見ないということは、ほとんどないからです。
何らかの手立てを講じて、御社のホームページに見込客が訪れます。
その際、「今すぐ客」には、間い合わせや資料請求、セミナー参加のアクションに進んでほしい。では、「そのうち客」にはどんなアクションを期待するか。次の3つです。

・①自社商品に関する理解を深めてもらうため、大量の情報を得ていただく

・②何回もこちらから情報をお届けできるように、メールアドレスを残していただく

・③何回もホームベージに来ていただく

つまり、購人プロセスのステップを進んでもらうために、

①商品の知識が増えるようなコンテンツを用意し、
②こちらから継続的なフォロー、しかも押し付けではない情報をお送りする許可をもらうこと、そして、
③興味を持ってくれたら更新情報を楽しみにしてもらうことが重要になってきます。

そのためには、次のようなコンテンツを装備する必要があるでしょう。

☆商品の関連情報(基礎知識、用語集、Q&A、使い方…)を充実させる

☆無料△△診断を行なう

☆無料小冊子をダウンロードできるようにする

☆全△回の無料メール講座を用意しておく

☆お客様の顔写真や声を掲載する

☆社長やスタッフの顔写真やプロフィールを掲載する

☆セミナー情報や社長ブログなどの更新情報を掲載する

ここでの最大のポイントは、大量の情報を得てもらうことです。
興味を持ってもらうだけではなく、御社やその商品について理解を深めてもらうことが、その後、具体的な商談になってから効力を発揮するのです。

そしてもう1つ、大事なことがあります。

それは、「購買の基準」を示してあげることです。

その裔品の良さを一方的に宣伝するのではなく、見込客がその商品を購入するときに気をつけなければならないポイントや、そのやり方を示してあげること。
売り手の視点ではなく、買い手の視点で、購入する際の基準を提供するわけです。

たとえば化粧品ならば、全成分を表示し、どんな肌質や年齢の方に合うのかを示してあげる。
使用方法を詳しく褐載し、どのように使えば美しく仕上がるのかをステップを踏んで説明してあげる。
そのほか、実際に使ってみるとどんな効果が期待できるのか、どんな点に注意するべきかなどを、お客様の立場から示してあげることです。

なぜ「購買の基準」を示すのが大事かと言うと、インターネットやモバイルの普及によって多くの情報が素早く安価に手に入るようになり、情報の多さが逆に選択の基準を曖昧にしているからです。
したがって、お客様のニーズを満たすためのガイドラインを、御社のことは一旦横において、きちんとお渡しすることが非常に大切なのです。
情報を大量に提供すること、お客様がその商品を購買する基準を示してあげること、この2点を心がけてください。

・見込客を営業マンの前に座らせる方法

次ページの図をご覧ください。これはマーケティングの導線を表したものです。
10億円の壁を越えるためには、「見込客の育成」に限らず、マーケティングの導線をどれだけ設計できるかが鍵を握ります。
単に「見込客に営業をかけて失敗したからお仕舞い」ではなく、1度集めた見込客にたくさんの道筋を用意しておいて、何度でも商談に上げていく仕組みを作ることです。

その意味で、1度失注したお客様の「再見込化」もきわめて大事です。
「今はたまたま時期じゃないから断った」というお客様は意外に多いものです。とくにBtoB の場合はそれが顕著です。


ウェブを利用したマーケティングの導線設計(例

会社というのは生き物ですから、以前、その商品にさほど必要性を感じなかったとしても、その状態が変わらないとは限りません。
会社が置かれている状況は猛スピードで変化しますし、人の状況もクルクル変わります。
ですから、失注したからといって諦めてしまうのではなく、継続的かつ愚直に情報を送り続け、再び見込客に上げていくことが大切なのです。
ポイントは、営業担当者だけにこの仕事を任せないこと。業績のよい営業担当者は、この再見込化が得意です。
しかし、属人に依存しているうちは効果が限られますから、それを会社が役割分担するべきでしょう。
ホームページで更新コンテンツを用意する、メルマガやニュースレターを継続的に送付する……。地味ですが、この行動が長い目で見ると成果につながります。

また、既存のお客様に働きかけて、再度購入してもらう流れも大切です。これが、マーケティング・スキームの1番最後に来る「顧客化」です。
「顧客化」を進めるときは、次の2点がポイントになります。

・①顧客データベースを整備する

・購買の履歴

・サービス提供時の履歴

・②継続的に情報を提供する

・旬の情報

・自社の情報

・顧客同士の情報共有

お気づきのように、ここでも鍵となるのは「継続的な情報提供」ですが、
これまでの話と違うのは、その対象が御社の商品を購入したことのない「見込客」ではなく、1回でも商品を買ってくれている「お客様」だということ。
したがって、見込客にお渡しする情報とは内容を変える必要があります。
もっと言えば、これらのお客様に同じ情報をお渡しするよりも、購入金額、購入頻度、購入カテゴリーなどのステータスに応じて、
情報の内容や頻度を変えたほうが再び商品を買ってくれる可能性が高まるでしょう。だからこそ、データベースの整備がポイントなのです。

①のうち「購買の履歴」とは受注するまでの履歴、「サービス提供時の履歴」とは受注してからの履歴。
要するに、御社の商品をどうやって買ってもらったのか、さらには買ってもらった後の接点で何があったのか。
それらをクレーム情報などを含めて時系列で並べ、お客様のステータスごとにデータを取得できるように整備しておくことです。

データベースが整備できたら、お客様のステータスごとに内容や頻度を変えて、継続的な情報提供を行ないます。
「旬の情報」「自社の情報」「顧客同士の情報共有」の3本柱からコンテンツを精査し、
会員誌、メルマガ、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などのツールを駆使して顧客化を促していきます。

「旬の情報」というのは、季節の移り変わりに合わせて商品・サービスを提案するといったこと。
「自社の情報」は、新商品などのお知らせでもよいでしょうが、社員の顔写真付きで仕事ぶりやイベントなどをお客様に紹介すれば、信頼感や親近感を感じてもらうことができます。
また、最後の「顧客同士の情報共有」とは、お客様の事例を会員誌に掲載したり、お客様同士で対談をしていただき、その様子を動画や文字でホームページに掲載するなどの方法が考えられます。
とくに、御社の商品Aを買っている優良顧客と、御社の商品Bを買っている優良顧客にそれぞれの商品のよさをアピールしていただくのは、顧客化を促す上できわめて効果的な手法と言えます。

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