◇「オレ様社長」が会社の成長を止める最大の原因

8つの質問をチェックする

もしあなたの会社が業績停滞に陥っているならば、この8つの項目をチェックしてみてください。

・自分が簡単にできることを、どうして社員ができないのか意味が分からない
・右腕になる人材が1人でもいれば、3億や10億は軽く越えられると思っている
・自分が行けばあんな商談は3秒でまとまるのに、と思うことばかりだ
・うちの幹部や社員は、揃いも揃って会社の危機感を共有してくれない
・会社の理念をあれほど伝えているのに、顧客接点ではまったく逆のことが起きている
・うちの幹部たちは、口を酸っぱくして言っても部下を育てようとしない
・若い奴らは気合いと根性が足りないからすぐ会社を辞めてしまう、と感じている
・自分がやらなければ、うちの会社は何1つ前に進まないと思っている

この質問の中で、3つ4つ(それ以上)、、思い当たるとすれば、
あなたは典型的な「オレ様社長」です。

会社の業績が伸び悩んで、私のところに相談にこられる社長には共通点があります。
社員をグイグイ引っ張っていく社長でも、温厚そうに見える社長でも、その1点だけは同じです。
その共通点とは「オレ様」気質を持っているということ。

業績の壁に伸び悩む共通点は「オレ様」社長

それはいったいどういうことか?
「オレ様」気質を持った社長というのは、大雑把に言えば、『ドラえもん』のジャイアンがそのまま社長になったようなイメージ。
自分の考えに絶対的な自信を持ち、ひたすら自己中心的な価値観に従って行動する。

もちろん、見た目はジャイアンとは似ても似つかず、髪型をきれいに整え、高そうなスーツに身を包んでいたりします。
しかし、話を聞いてみると、言葉の端々から「オレ様」が顔をのぞかせるのです。
これらの社長の口癖は「私が簡単にできることを、できない理由が分からない」「私がやらないと、この会社は何1つ前に進まない」など。

先ほどの8つの質間は、あなたの「オレ様」度を診断するためのもの。
実際、社長の話を聞いていると、質間項目のような不満や悩みを抱えていることが手に取るように分かります。
そのため、私は相談にこられた社長に、必ずこうお伝えすることにしています。

「御社が伸び悩んでいる原因は、社長自身にあります。あなたがオレ様社長だからですよ」

こう申し上げると、大抵の社長は気分を害されたような表情を浮かべ、そんなつもりは毛頭ない、と言います。そして、こう反論する方も少なくありません。

「社員には積極的に提案するように言い聞かせている」

ところが、彼らが積極的に提案しているかと言うと、そうではありません。
会議中はシーンとしていて、社長だけが一方的に話をしているものです。
皆が社長の顔色をうかがって黙っているから、「積極的に提案しろ」という言葉が飛び出すのであり、
普段から活発な意見が出ていれば、わざわざ言わなくてもいいはずです。

社長の「オレ様」度を診断するために、私から質問することもあります。

「社員にどこまで仕事を任せていますか?」

じつは、この質問には少しズルいところがあって、壁にぶつかっている会社、とくに3憶円の壁にぶつかっている会社は、
仕事のほとんどを社長1人で担っているものです。社員は、社長のアシスタント的な仕事を行なっているにすぎません。
そのことを私は知っていますから、社長の答えは最初から予想がついています。

「社員たちは、まだ未熟で任せられない」

ほぼ例外なく、こうした答えが返ってきます。

「では、どのように社員を教育していますか?」と尋ねると、

「自分の仕事に同行させている」というお返事です。

「オレ様」社長は社員教育を間違えている

社長1人で現場を切り盛りしていると、忙しくて教育に割く時間は取れません。
そこで、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)と称して、自分の商談に部下を同行させて教育しているのです。
社長にしてみれば、自分が商談のお手本を示すことによって、本気で社員を育てようとしています。
行き帰りの車中などでは、同行した部下に熱心にアドバイスをしていたりするものです。

しかし、現実を見れば、社員は1ミリも成長してくれません。

そこで社長はこう考えます。

「あれだけ教えたのにまったく育たない。うちの社員は能力が足りない」

社員教育のやり方が間違っているとは思いもよりません。
この人物像、立派な「オレ様」に見えませんか?ご自分の言動に少なからず心当たりがあるのではないでしょうか。
もしくは「うちの社長はたしかにオレ様だ」と、共感してくださるサラリーマンの方も多いはずです。

会社の経営者として、私の中にも「オレ様」が存在しています。
もっとも、クライアントの社長に「あなたはオレ様ですね」と言っておきながら、自分自身の「オレ様」に気づいたのは、わりと最近のことですが……。
それくらい、創業社長というのは自己中心的な価値観に染まっているものなのです。

とはいえ「オレ様」を否定しているわけではない

誤解のないように付け加えると、私は社長の「オレ様」気質を、必ずしも悪いとは思っていません。むしろ、会社の創業期には欠かせない資質でしょう。
創業した会社を軌道に乗せていくには、強い信念と行動力が求められます。
人に簡単に意見を譲ったり、プライドを捨てたり、目標を達成する前に諦めたりしないためには、
心の中に住んでいる「オレ様」が1番の味方になってくれるのです。

ただし、それは会社の規模が小さく、個人事業のように社長と会社が一心同体となっている時期までのこと。
売上を伸ばし、社員を増やし、お客様が増えていくにつれて、会社は社長のものではなくなり、社員のもの、お客様のものになっていきます。
そこで働く人や商品を買ってくれる人の気持ち、価値観、希望などを無視して会社を動かしていくことは、いくら創業社長でも得策とは言えません。
社長が「オレ様」を押し通す限り、その会社はどこかで成長を止めてしまうものです。

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