年商3億越えから10億までの4ステップ
STEP1 社長1人では成長できないと覚悟する
STEP2 御社ならではの「商品」を作る
STEP3 マーケティング・スキームを作る
STEP4 即戦力人材を確保する

◇社長の覚悟がなぜ欠かせないのか

ここからは、売上3億円の壁を越えるための手順を、具体的に説明していきます。

覚悟する

まず最初のステップは、「社長1人では(これ以上)成長できないと覚悟する」。
何はともあれ、これがなくては何も始まりません。

繰り返し述べてきたように、3億円企業の1番の問題は、社長が仕事を抱え込んでいること。

ご自身が優秀なプレーヤーであるがゆえに、自分1人でどんどん仕事をこなしてしまう。
しかも「オレ様社長」ですから、なおさら社員には任せられないわけです。

その結果、自分1人のコネや人脈に頼って見込客を集め、それらの見込客に対して自分1人で営業をかけ、
さらにはクレームを恐れて納品やアフターサービスまで自分1人で行なっていたりする。
この状態だと、「社長の稼働=会社の売上」という構図ですから、社長が頑張ったぶんしか会社は成長できないことになります。

とはいえ、先月はプレゼンテーションを20件やったから今月は30件にしよう、とはいきません。
なぜなら、3億の壁に直面している社長というのは、すでに忙しすぎるくらい忙しいからです。
社長に暇な時間なんてほとんどありません。早朝から深夜まで仕事に追われ、息抜きに立ち寄った居酒屋でも、ふと気づけば隣の客に営業トークをかけていたりするほど。
24時間365日、会社のことを考えて行動している。そして、これ以上は頑張れる時間がなくなったからこそ、3億の壁に悩まされているとも言えるわけです。
厳しい言い方になりますが、いまの状態のまま社長がどれだけ頑張っても、決して報われません。会社が成長することもありません。
だからこそ、覚悟することが何より大切なのです。

このような話をクライアントの社長にすると、安易に考えてしまう方が少なくないようです。

「覚悟すればいいの?じゃあ、もう覚悟できたから」

こんな返事が返ってくることもあります。

本当に覚悟できているか

しかし、「社長1人では成長できないと覚悟する」というのは、裏を返せば「会社を成長させるために、社長が現場から退場する」ことを意味します。
たとえ当初は覚悟したつもりでも、それを日々の業務のなかで持続させるのは思いのほか難しい。
なにせ、3億円企業の社長は、揃いも揃って「オレ様」ですから。
その「オレ様」ぶりを引き出しの奥にでもしまっておかない限り、わが身を抑えきれなくなって現場に出てしまうことがじつに多いのです。

これまで自分1人でこなしてきた仕事を社員に任せるようになると、社長は落ち着かなくなります。
任せるのが不安で仕方ないからです。さらにその状態が続くと、今度はイライラします。
自分がやれば、もっとうまくいくのにと。そして仕舞いには、口を出さずにはいられなくなってしまうのです。

たとえば、ある営業会社の社長と話をすると、「支店のやつらはダメだ」と言います。
「オレが行くとすぐ立ち直るのに、あいつらはまったく立て直せない」と。

実際、そうなのです。この社長が支店に行くと、そこの数字が一瞬で上がる。それで本社に戻ると、また支店がダメになってしまう。
それで社長が支店に行っていると、今度は本社の数字が落ちてしまう。
要するに、社長が現場から引退しているように見えて、そのじつ、きちんと引退できていないのです。

じつは、社長が片足だけでも現場から抜ければ3億の壁は越えられなくもないのですが、それが10億の壁となると、もう完全に引退しなければとても無理です。
社長の言動が明らかに変革の阻害要因となってしまいます。
ですから、私は3億越えを目指している社長に常々こう申し上げています。

「売上に直結する仕事で、社長にしかできない仕事以外は、すべて手放してください」

前述のA社の例で言えば、コンビニ本部で仕事を取ってくるのは、社の業績を大きく左右する仕事。ナンバー2の社員にも簡単には任せられません。
そのため、3億を越える時点までは社長が最後まで担当し、それ以外の仕事は徐々に手を放してもらったのです。

◇現湯を離れるまでの「見取図」を描く

見取図をつくる

社長の覚悟が固まったら、次は、社長が現場を離れるための「見取図」を作る必要があります。
どの業務から足抜けしていくか、そのために何をすればよいか、それを明らかにする作業が欠かせないのです。

このとき、社長が行なっていた仕事を丁寧に洗い出さないと、社内の混乱を招くことになります。「何を、どんな順番で」という段取りが狂ってしまうからです。
このときの重要ポイントは、マーケティングのスキーム(枠組み)を要素ごとに分解し、それぞれの要素に「足抜け」の優先順位を付けていくこと。

儲かる仕組みをつくる

ところで、なぜマーケティング・スキームが大事なのでしょうか?
経営者の仕事をごく大雑把に捉えると、「マーケティング」と「マネジメント」に分けることができます。
このうちのマーケティング、すなわち儲かる仕組みをどう作るかは、3億円企業にとってのまさに生命線。
これまで社長1人で売上の8~9割を稼いでいたわけですから、社長が抜けた穴をきちんとカバーしないと売上の落ち込みは避けられません。
売上3億弱の会社は資金的にもまだまだ不安定ですから、そうなれば会社の存続そのものが危ぶまれてしまうでしょう。
だからこそ、何よりもマーケティングが肝心。
それに、そもそも社長は現場のトッププレーヤーとして全精力を傾けてきましたから、マネジメントはほとんどできていないのが実情でしょう。
戦略を考える余裕はないし、社員教育に充てる時間もほとんどない。社員が数名程度なら、組織の体制をあれこれと考える必要もなかったのです。
ですから、3億越えの段階では、マネジメントに注力するよりも、マーケティング・スキームの構築に力を入れたほうが成功の確度はグッと高まるのです。

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