年商10億越えの4ステップ
STEP1 理念とビジョンを共有する
STEP2 人事制度を作る
STEP3 ビジネスモデルを強化する
STEP4 新卒採用を行なう

理念・ビジョンがなぜ重要なのか

売上3億円の壁を越えるまでは、理念やビジョンは必要ありませんでした。

ひと部屋のなかに7~8人の社員がいて、コミュニケーションの量さえ厚くしておけば、お互いの気持ちはそれなりに分かったものです。

ところが、会社が成長して社員が15人、20人へと増えていくにつれて、1人1人の顔が見えづらくなり、社長の思いが伝わらなくなっていきます。
とくに、中間管理職を置くようになると、末端の社員の気持ちが引き付けられなくなってしまう。

10億越えを目指している社長の悩みを聞くと、決まって出てくるのが次のセリフ。

「なぜ、うちの社員はいくら言っても動いてくれないのか?」

これも、コミュニケーション・ギャップから生じていることがほとんどです。
コミュニケーションの間題というより、価値観の間題。人はそれぞれ価値観が違いますから、その溝を埋めようと努力しない限り、意思の疎通は図れません。
大抵の社長は「社員はオレの思いを分かってくれている」と思い込んでいますが、そう思っているのは社長ただ1人というのが現実だったりするのです。
そこで、理念とビジョンを共有することが必要になります。

ここで言う「理念」とは、会社が大事にしている価値観のことで、この会社がなぜ存在しているかということ。
弊社で言えば、次の2つの理念を掲げています。

①顧客の社史に残る仕事をする

どんな姿勢で仕事をするかという価値観です。
1社から仕事を受注したら、そのお客様を大切にして、長くお付き合いいただく。
そして、お客様が壁をいくつも越えて成長していくと、心から感謝される。
そうした積み重ねで商売を長く続けていきたい。

②雇われないでも生きていける人が集う場所でありたい

どんな人材に働いてほしいかという価値観です。
いますぐ会社を辞めても全然困らない。能力は高いし、人柄はいいし、お客様を見つけることもできる。
そういう人材が「この会社はおもしろいからいてあげるよ」と思えるような組織であり続けたい。

こうした理念が社員に浸透すると、自ずと行動が変わってきます。
たとえば、会社の理念が「顧客の社史に残る仕事をする」であれば、お客様から問い合わせがあったらすぐに返事をしたり、クオリティの高いサービスを提供しないとおかしい。
「雇われないでも生きていける人が集う場所でありたい」のなら、公務員的な意識で働いてもらっては困るわけです。
それらを通して、社員の意識と行動を変えていくのです。理念は、企業活動すべての土台になるものと考えてください。

次の「ビジョン」とは、将来のあるべき姿で、この会社が何をなすかということ。
「ビジョンは具休的に示したほうがよい」とも言われますが、私の考えでは、具体的であればよいとは思いません。
それらは、ビジョンを達成するための「戦略」や、戦略を売上日標などに落とし込んだ「事業計画」で示せばよいからです。
むしろ、狸念をきちんと踏まえた上で、経営者なり会社の思いをしっかり込めることのほうが大事でしょう。

ビジョンを明らかにすることにより、会社が目指している将来像がハッキリします。
そうすると、これまでバラバラな方向を向いて仕事をしていた社員の意識が変わり、組織のベクトルが揃うようになります。
戦略を実行したり、事業計画を遂行したり、組織を回していくためにも、ビジョンの共有は欠かせないと言えるでしょう。
これがまず、理念とビジョンを共有するための、ごく基本的な話になります。

・社長が再び覚悟を固めるとき

ところで、10億越えのステップで「理念・ビジョンの共有」を真っ先に行なうのはどうしてでしょうか?
1つの理由は、この「経営モデル」で説明したように、理念・ビジョンの共有が企業構築の出発点となる課題だからです。しかし、その他にも理由はあります。

一体、どんな理由でしょうか?
社長に再び覚悟を固めてもらうためです。

3億越えのステップで「社長1人ではこれ以上成長できない」と覚悟し、現場を離れる決意をしていただきました。
けれども、3億の壁を越えて7~8億円くらいの規模になっても、集客など売上を大きく左右する仕事は、相変わらず社長が手がけているのが普通です。
現場から片足は抜けたものの、もう片方の足はまだ抜け切れていません。

・社長は現場に戻りたくなる

それに、よく起こるのが「リバウンド」。社長が1度は現場を離れたのに、また足を突っ込みはじめてしまうことがじつに多いのです。
売上7~8億円の社長は、自分がいなくても仕事が一応は回るようになり、時間的な余裕がかなりできます。
本当は、その時間を社長にしかできない仕事に充てなければならないのに、ヒマになったように錯覚してしまう。
すると、現場のことが心配になるのか、ついつい現場に舞い戻ってしまうのです。

・社長は完全に現場から退場しなければならない

しかし、10億円の壁を越えるには、社長がもう完全に退場しないと会社はとても回りません。
たとえ10億越えのステップをすべて行なっても、社長が自分の業務をきちんと役割分担しないと、仕組みやルールがうまく動かなくなります。
ましてや、「オレ様」ぶりを発揮して、せっかく作り上げた仕組みやルールを壊してしまえば、途端に立ち行かなくなってしまうでしょう。
ですから、まずは社長自身が理念やビジョンを明確にすることで、「こういう組織にしていくんだ!」という揺るぎない決意を固めることが大事なのです。
そうすれば「将来のあるべき姿」が明らかになり、それに向かって何をするべきか、逆算型の考え方で改革に取り組めるようになるはずです。

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