年商10億越えの4ステップ
STEP1 理念とビジョンを共有する
STEP2 人事制度を作る
STEP3 ビジネスモデルを強化する
STEP4 新卒採用を行なう

新卒採用が会社成長の強力な武器になる

新卒採用とは、単に要員計画の穴を埋めるためだけの活動ではありません。やり方によっては、ステージアップの強力な武器になるのです。
それが、ステップ4の「新卒採用を行なう」ということ。

ただし新卒採用は、デメリットが非常に大きいと言えます。

・新卒採用における2つのデメリット

・将来の景気が見えない

1つめのデメリットは、10億越えを目指している会社にとって、新卒が入社してくる 1年半後の景気が見えにくいこと。
見えにくいというより、会社がどんな状態になっているのか分からないと言ったほうが正解でしょう。
新卒が入ってきたとき、もし業績が悪かったらどうするのか。先ほどの弊社の例で言えば、給料を遅配するか、倒産するかの二者択一が迫られたはずです。

・準備に手間がかかる

2つめは、とにかく手間がかかること。
募集コストだけで考えれば、中途採用とあまり変わらないかもしれません。
しかし、中途が人材募集をかけてから1~2回の面接で済むのに対して、新卒は会社説明会から最終面接まで、全部で4~5回は社長が中心となって進めなくてはなりません。
そのための準備も結構大変です。
ところが、ようやく新卒社員が入社してきても、まったくのシロウト。素養はあってもビジネス経験があるわけではないので、しばらくは使い物になりません。
名刺の渡し方も知らないし、専務と常務のどっちが偉いかも知らなかったりします。1から教え込まない限り、生産性はゼロのまま。
ようやく成果を上げはじめるのは、1年くらい経ってから。これが3つめのデメリットです。

・新卒採用における大きなメリット

・会社を変えるムーブメントを起こす

では、いくつものデメリットがあるにもかかわらず、なぜ新卒採用をお勧めするのか?
よく言われるのは、中途採用よりも粒揃いの人材が採れるということです。職務経験で採る中途とは違い、新卒はマインドや素養で選びますから、自社の求める人物像を採る方法としてはベストです。
とくに、会社の価値観に共感してくれる人だけを選んで採れるのは、大きなメリットと言えるでしょう。

また、求めるタイプの人物像を採用しようとすると、組織変革に必要なモジュールを揃えなくてはなりません。
人物像を描くためには、「うちの会社の理念はこうで、こういうビジョンを持っていて、この戦略で勝とうとしている。
だから、こういう人材に来てほしい」と考えます。すると、理念・ビジョンの共有が欠かせなくなります。それを回すための人事制度も整えないと、新卒のキャリアパスが描けません。
さらに、新卒を受け入れるまでに売上をしっかり稼げるようにしておくには、ビジネスモデルの強化も必要です。
このように、変革に必要なモジュールが必然的に求められるのです。言い換えれば、新卒採用を始めることにより、10億越えの変革を後押しする力が生まれるということです。

さらにもう1つ、最大のメリットがあります。

会社を変えていくためのムーブメントを起こせることです。

10億越えのステップは、かつて御社が経験したことのない大改革となります。
何しろ、会社の体質を根本から変えるわけですから。
それを無事に成功させるには、サケの大群がこぞって川を遡上していくように、社員が一致団結して改革に取り組むような大きな流れを作ることが必要です。
ところが、社長がいくら旗を振っても、社員の足並みはなかなか揃いません。社長が思っているほど、社員は危機感を持っていないし、改革の必要性も感じていないからです。
それが原因で改革が頓挫してしまうのはよくあること。

しかし、新卒社員を採ろうという話になると、誰もが途端に協力的になってくれます。
社員から見ると、応募してくる学生たちは初々しくて、やっぱりかわいい。そんな後輩ができると思うと、結構うれしいものです。
マネジャーたちにしても、学生の前で話をさせると好感度100%の笑顔を浮かべたりします。自分の部下になるかもしれないと思うと、ついつい協力したくなるものです。
したがって、社員たちを採用活動に積極的に参画させることにより、それを全社的なインナーキャンペーンにつなげて、会社を変えていくことができるのです。

ご参考までに、採用活動のどのプロセスに社員を参画させると効果的なのかを、簡単に述べておきましょう。

採用活動を「採用計画」「人材募集」「説明会・選考」「内定」の4つのプロセスに分解したとすると、最初に参画してもらうのが「採用計画」です。

この段階では、採用人数やスケジュールなどのほか、「求めるタイプの人物像」や「学生へのメッセージ」を作り込みます。
通常は社長と人事が行ないますが、ここに社員を参画させます。
マネジャークラスから1人、リーダークラスから1人、若手から3人といったチームを編成して、皆で議論しながら決めていくわけです。

会社説明会や選考でも、マネジャーや若手に同席してもらいます。このような場で「うちの価値観はね…」と語らせることが、社員教育の観点からも重要です。
なぜなら、それまで社長の話を聞き流していた社員たちが、それをアウトプットする過程で初めて腹落ちするようになるからです。

その他にも、学生が説明会や面接などで来社した際に、社員がどう接するかはきわめて大切です。
この時期の学生は何十社も訪問しているので、様々な観点から会社を評価しています。
会社を訪れたときに「誰こいつ?」という表情をされるか、温かく接してもらえるかで、学生の印象はガラリと変わります。

したがって、ここでも社員を巻き込むべきです。学生もお客様と同じだということを全社会議でアナウンスし、社長が本気だという決意を見せておきます。
そして、学生が来たら、社員が笑頻で「いらっしゃいませ」と言う。もし学生が困っていたら「どうされましたか?」と、丁寧にフォローしてあげる。
そういう活動を通して、学生の受けがよくなるばかりか、社員がお客様に対してもきちんと対応できるようになっていきます。
実際、新卒採用をきっかけに、受付に花を飾りはじめる会社がとても多いのです。
このように、採用活動を役割分担していくと、皆が一緒になって採用したという意識が芽生えます。
そういう雰囲気が盛り上がれば盛り上がるほど、インナーキャンペーンが会社を変える大きな流れとなっていくのです。

・新卒を何人採るのがいいか?

さて、新卒採用を始めるとして、何人採るのがよいのでしょうか?

中途採用の場合は、それこそ組織図を描いて、要員計画を立てて、ここに何人必要という具合に人数を決めるのが一般的です。

新卒の場合も要員計画は参考にするものの、彼らは戦力化するまでに時間がかかるため、しばらくは余剰人員。
ですから、会社の体力を勘案しながら、「余剰人員を何人抱えられるか?」という視点で決めるのがよいでしょう。

伸びる会社は、この点を慎重に見きわめているものです。

あまり多く採りすぎると負担が重くなってしまいます。商品が回っていて、マーケットも伸びていくことが見えている場合はよいのですが、それ以外はやめたほうが無難です。
その一方で、新卒社員は余剰人員とは言っても、いずれは立派な戦力に育ちます。彼らは未来の業績を作る人たちですから、あまり少ないと成長が見込めなくなってしまいます。

では、一体どうすればいいのか?

・3-5人の採用

10億越えの会社にお勧めしたいのは、3~5人を採ること。
1人や2人だと新卒社員の存在が希薄になってしまうし、社員教育のやり方も適当になってしまうからです。

たとえば、新卒が2人だけだと、入社式もやらないのが普通でしょう。
けれども、入社式を行なうことがじつは非常に大事なのです。採用活動はインナーキャンペーンなので、イベントを仕込まないとキャンペーンが盛り上がらなくなってしまうからです。
それに、誰もが学生の頃は始業式や終業式などの行事がありましたから、節目ごとに意識を切り替えることができました。
ところが、新卒採用を行なっていない会社には節目がないため、1年を通して惰性で仕事を続けることになります。
頭を切り替えて変革の意識を持ってもらうためにも、1年の節目となる入社式は必要なのです。
したがって、3人以上、理想的には5人採りたいところです。そのほうがキャンペーンもうまくいくし、同期意識も芽生えるからです。
この人数で新卒採用を3年くらい続けると、まさに別会社に生まれ変わります。
その間に人の入れ替わりもあるため、社員の半分近くが生え抜きの人たちになります。
その頃までにはビジョン共有や人事制度も定着するでしょうから、社員の価値観や行動もかなり変わっているはずです。

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